組織改編
組織改編について
私たちは2002年9月にメジロスタジオを設立し、建築設計活動を10年に渡り展開してきた。また、2010年4月より、まちづくりや地域マネジメントの活動をリライトデベロップメントとして併走させてきた。そして12年目を迎えた今、私たちはこれまでの活動の系譜をふまえ、名称を「リライト_D」へ統合し、多様化する社会の諸問題へ的確にアプローチしていく為の組織改編を行う。
(2013年11月)
私たちは2002年9月にメジロスタジオを設立し、建築設計活動を10年に渡り展開してきた。また、2010年4月より、まちづくりや地域マネジメントの活動をリライトデベロップメントとして併走させてきた。そして12年目を迎えた今、私たちはこれまでの活動の系譜をふまえ、名称を「リライト_D」へ統合し、多様化する社会の諸問題へ的確にアプローチしていく為の組織改編を行う。
(2013年11月)
建築家 / 取締役
日本大学理工学部建築学科准教授 / 博士(工学) >>>
1976年、東京都生まれ。2000年東京都立大学工学部建築学科卒業、2002年同大学院修了。2002年メジロスタジオ設立、馬場兼伸、黒川泰孝と共同主宰。2010年株式会社リライト参画、2011年建築・不動産部門分社化。2013年日本大学理工学部建築学科助教(古澤研究室主宰)、同年メジロスタジオをリライト_Dに組織改編。2020年同大准教授、現在に至る。
『アーキテクトプラス―“設計周辺”を巻き込む』古澤大輔,他(監修),ユウブックス,2019.05 巻頭文「はじめに」より抜粋
建築は、社会的な状況と密接な関係を持つものであることは言うまでもないだろう。社会の中で何かしらの目的を達成する為に建築はつくられるがゆえ、まずもってして社会的な役割を建築は担っている。一方で、そもそも建築とは様々な部位部材たちが組み合わさって立体を形づくる物理的な存在でもあるし、その建築の形態が発する意味は、美的或いは文化的尺度によっても審判される。つまり建築は、少なくとも物理的な側面、目的的な側面、そして意味的な側面が組み合わさった複合体であり、建築を設計するということは、これらを統合することに他ならない。しかし、最近のメディアの動向を見ると、建築の目的性に関する議論が集中していて、建築的形態が発する意味の可能性などの議論は後退してしまっている。僕なんかはそれを結構不満に思っていたりもしている
どうしてこういう状況になっているのか。いくつか原因はあるだろうが、端的に言って僕は、ポストモダンの時代への誤解が大きいと思っている。僕が学生時代に建築を学んだ頃にはポストモダンはすでに終わったものとして扱われ、ろくな評価をされていなかった。しかし歴史的には、60年代に初めて史上に位置づけられる日本独自の建築論としてメタボリズムが誕生して以降、70年代の近代建築への同時多発的な批判運動の勃興を経て、80年代のいわゆるポストモダンと呼称される時代まで、先ほど挙げた建築の物理性・意味性・目的性が、どういう文化的、歴史的な有用性を持つのか、議論がひたすら行われていた。つまり、ポストモダンの時代まで、文化的にものすごく豊かに建築の議論が展開されていたのである。ただ不幸なことに、その後に日本の社会に到来したのは社会の成熟ではなくバブル経済だった。そして、バブルの崩壊とともに、建築的な議論が未成熟のまま突如終わってしまい、建築的形態の持つ意味性に関心が増大した時代であるポストモダンが殊更にやり玉に挙げられ、それまでの議論でさえも無意味だったというレッテルが貼られてしまった。さらにバブル崩壊後には、不良債権化した倉庫や工場といったものをリノベーションによって再生させ、市場を流動化させようとする1990年代後半の動きや、不動産証券化の影響が待ち受けていた。そして、2001年から始まったJ-REITの市場創設以降、不動産がファンド化することによってクライアントが不特定多数となり、建築家が価値を享受させなければいけない対象が不明瞭になってしまった。なおかつ、都市部においてオフィスビルの床面積が余るという2003年問題もあった。その影響で、リノベーション・コンバージョン事業が盛んになり、建築家が企画段階から関与するなど、建築家のアクティビストとしての側面が社会的に取り沙汰されるようになってきたのである。こうした背景の中で、本書は、このような建築家の「職能の拡張」といった、共時的な文脈の上に位置づけられるものだろう。
建築家、つまり「アーキテクト」という言葉を聞いたとき、僕は世紀単位のスパンで先代達の通時的な仕事をイメージしてしまう。僕がつくった建築をコルビュジエが見たら何て言うだろうか。あるいは100年後の人たちが見たらどんな反応をするだろうか。そういうのを想像しながら、モードを共時的な側面に切り替えてクライアントプレゼンに向かう。しかし建築は、言うまでもなく奥が深い。地球の重力と人間のスケール、そして太陽の光は紀元前から不変だから、その職能は大きく言えばウィトルウィウスの時代とパラレルだ。でも、ビジネスにおいては、常にスキームが共時的な変動をするから、先達とパラレルな関係を実感することはなかなか難しい。たった十数年でポケベル時代のビジネスモデルをAI時代にパラレルに転用できなくなってしまう。そもそも人間は、社会・共産主義/民主・資本主義という限られたオペレーションシステムしか開発できていないけれど、もし第三のシステムが出現すれば、従来のビジネススキームなんて吹っ飛んでしまうだろう。つまり建築とは、それを取り巻く共時的なコンテクストと密接に関係しながらも、コンテクストから自律した両義的な存在なのだ。建築はコンテクストに接地していて、しかし同時に離陸している。
「アーキテクトプラス」と題された本書のタイトルだが、「プラス」の背後に「マイナス」を想起させるがゆえ、もしかしたら違和感を持つ読者もいるかも知れない。実は僕もそのひとりだった。でも、本書で取り上げられている様々な取り組みを「スタディ」というふうに受け取れば、社会シナリオの急速な変化に建築を接地させる為に、アーキテクトという職能をスタディしている現代的な様相が立ち現れてくるだろう。そして、このスタディ過程を批評の海に投げかけ、皆チューニングしているのである。だからこう考えてみたらどうだろう。コンテクストから自律し、建築が離陸するため為には十分な距離の滑走路が必要だ。本書で示されたのは、確実に接地しながら滑走し、「建築」の跳躍を目指す建築家たちの、時宜を得たトライアルの切断面なのだと。そして、この切断面を繋ぎ合わせれば、これらの取り組みによって切り開かれる豊かな建築の地平を感じ取ることが出来るだろう。それが本書の価値なのだ。
この先に見る「建築」の姿に思いを馳せれば、建築の未来はたぶんきっと、輝いている。
古澤大輔/建築家
名称 |
リライト_D 法人名:株式会社リライト建築・不動産事業部 旧社名:株式会社リライトデベロップメント(2016年3月31日社名変更)>>> |
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英語表記 | rewrite_D |
代表者 | 代表取締役 籾山真人 |
創業 | 2002年9月1日(メジロスタジオ一級建築士事務所) |
改組 | 2013年11月15日 >>> |
資本金 | JPY 15,000,000(2019年6月6日に増資) >>> |
事業内容 |
建築の企画・設計・監理 地域・都市計画に関する企画・調査・研究 既存建築物の再生(リノベーション・コンバージョン) 不動産物件開発及びその仲介 |
免許 | 一級建築士事務所 東京都知事登録 第58703号 宅地建物取引業免許 東京都知事(3)第92647号 |
加盟団体 | 一般社団法人 日本建築学会 公益社団法人 日本建築家協会 |
関連会社 | 株式会社リライト(コミュニティデザイン事業部) >>> |
2020年 | 住宅建築賞2020 |
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2020年 | JIA日本建築大賞(2019年度) |
2020年 | 日本建築設計学会賞(第3回) |
2019年 | グッドデザイン賞(2019年度)、グッドデザイン・ベスト100 |
2018年 | 日本建築学会作品選集 |
2017年 | 日本建築家協会優秀建築選 |
2017年 | 「八戸市新美術館」公募型プロポーザル優秀賞(次点) |
2017年 | 日本建築学会作品選集 |
2016年 | グッドデザイン賞(2016年度)、グッドデザイン・ベスト100および特別賞[地域づくり] |
2015年 | 日本建築家協会優秀建築選 |
2015年 | JCDインターナショナルデザインアワード金賞 |
2012年 | 日本建築学会作品選奨(佐藤慎也と共同受賞) |
2011年 | SDレビュー朝倉賞 |
2011年 | 日本建築家協会優秀建築選 |
2007年 | 第2回サステナブル住宅賞 国土交通大臣賞(小泉雅生と共同受賞) |
2004年 | インテリアプランニング賞入選 |
2001年 | 第8回空間デザインコンペティション金賞 |
2000年 | 第9回東京都卒業設計コンクール銅賞 |
2000年 | 八雲賞本賞(東京都立大学卒業設計最優秀賞) |
所在地 | 東京都新宿区大京町29番地 作道ビル4F |
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TEL | 03-5368-0297 |
FAX | 03-5368-0298 |
アクセス | 大江戸線「国立競技場」駅A3出口より徒歩4分 JR総武線「千駄ヶ谷」駅より徒歩5分 |